全ての偶像に、ありがとう
梅雨の京都撮影の裏で仕事をしていた一ノ瀬志希と電話する高峯のあの話。
志希「そっちは雨かあ。ジトジトだねえ。」
のあ「雨に濡れるのも……いいものよ。」
志希「あたしはパース。」
のあ「…………。」
志希「それよりもー。今日は一体どうしたのかなぁ?珍しく電話なんてかけてきちゃって。」
のあ「公演を……思い出していた。」
志希「ウエスタン?なんで今?」
のあ「かつての私は……他者と関わることに必要性を感じられずにいた……いや、得意ではなかったのだろう……。」
志希「分かるよー天才は孤独なのだー。」
のあ「貴方と、貴方達との出会いがなければ。今、こうして京都の街を散策するようなこともなかったのだと……実感する。」
志希「おっなんだか成長しちゃった感じ?レベルアップ?」
のあ「故に……今のこの気持ち。感謝を伝えたかった。ありがとう。」
志希「…………。」
のあ「それだけよ。邪魔をしたわね。」
(ツーーーー)
志希「……いやあ、ズルい女だねえ……。」